泣いても笑っても最後の五百席目。 関山先生のはなしも最後になる。小林先生の案内。横山さんの高座改め。砂山先生 の裏方振り。沢田さんの写真。加藤さんの録音。右太治さんのメクリ。含笑寺さんの 本堂。木村さんの差し入れ。富士コーヒー梶A小島釉薬梶A池田ドリンク梶A料亭蔦 茂の後援。モテさん、仮名さんのホームページでの宣伝。まだまだ列記できないくら いの人々への恩は山よりも高い。 とくに、受付の大島夫妻は寒いときも暑いときもワンちゃんと一緒に一回も休むこ となく勤めてくださった。重い板を組み立てる高座造りまでも。 そして、二八年の長い間、数多く、また遠方からも聞きに通ってくださった方々。 みなさんは、たった一人の噺家のために尽くしてくださった。本当にありがとうご ざいました。 勝手ながら、今回は木戸銭を二〇〇〇円とさせていただきました。 |
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2001(平成13)年3月9日(金) 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 2000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
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[堪忍袋] 最初の師の柳枝の持ちネタでもあった。師へ感謝を込めて演じよう。 [救いの腕] 読んだ小説からヒントを得たもので、感嘆の声が挙がれば嬉しい。 [五百羅漢] 最終席に因んでこのタイトル。古典落語にもあるが、これは自作。 |
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2001・2・16 UP |
毎年、十二月上席は、国立演芸場で若手と一緒に特別企画公演にあたる。 第三回の今年は、あたしの脚色した舞台落語『芸沢山曲手質屋(げいだくさんまげ てななつや)』を高座ならぬ、舞台へかけた。 原話は埋もれた[音曲質屋]という音曲噺。本来、音曲師の演る物であるが、そう いう音曲師もいなくなった現在、埋もれてしまった噺の一つである。 あたしが掘り起こして、以前、この会では音曲はさらりと逃がし、素直に一席物と して演ったことはあるが、この度、国立演芸場では、あたしの噺の中に出演を終えた した若手が餡子として再登場し、諸芸を繰り広げた。 圓窓 吉窓 窓輝 馬の助 馬桜 馬生 世之介 菊春 三三 その他、女の講釈師、 手品師が出演した。 ふと思い出したのが、旧友の苦労話。[ミシンの涙]と題して演ってみる。 |
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2001(平成13)年1月12日(金) 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 1000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
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[笠碁] じっくり聞かせる所、見せる所があり、よく出来た素人碁のテーマの噺。 [ミシンの涙] 三五年ほど前に聞いた旧友の質屋通いの苦労話から、創作してみた。 [戯れ地蔵] この秋にNHKラジオの公開録音で宮城へ行ったとき仕入れた昔咄。 |
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2000・12・9 UP |
圓窓五百噺のゴールが近付いてきたが、あたしとしてはさのみたかぶりはない。 スタートのときのほうが、多方面に気を遣って、疲労困憊した覚えがある。 今の心境をあえて言うなら、引越しにかかってぼちぼちと物の整理をしているよう な気分かもしれない。自分が演じた落語のことより、長年に亘り、会場としてわがま まいっぱいに使わせていただいた含笑寺を去る寂しさのほうが強いからだろう。 と言って、引越し先がちゃんと決まっているわけではない。なにをするかも、どこ でするかも、ほとんどが未定である。 強いて言えば、東京のどこか小さな所で、古典の中から好きな作品の再演と、今ま でのように創作を手がけて行きそうだ。 今回、埋もれた噺をニ席、並べました。 |
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三遊亭 圓窓 |
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2000(平成12)年9月8日(金) 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 1000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
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[べらぼう蕎麦] [よいよい蕎麦]という題だが、感じは良くないので、変えた。 [にせ象] 下品な話のため演り手もない。復活するためには、上品にしなければ。 [煩悩の尺八] あえて若者に受けている怪談めいた話に持っていった。果たして? |
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2000・6・12 UP |
あたしが外国の小説は積極的に読まないのは、カタ仮名で書かれた人名と地名の区 別が付けられず、時間ばかり食ってしまうので、最近はほとんど読んでなかった。 ある日、読みかけの本を持たずに仕事先へ向かったもんで、途中、駅の売店で物色 して選んだ文庫本が、外国の有名な短編小説集。 二つ目の頃、脚色してみようかなと夢として描いていたのだが、この際、思い切っ て構想を練ってみた。 映画は「構想何十年!」なんて、大きなことを宣伝文句にしているが、あたしの創 作落語は「構想ひと晩!」。 しかし、原作をなぞるだけでは能がなさすぎるので、ちょっと、加工してみた。そ こで、タイトルも[どん尻のーー]となった次第。 そんなことで、聴いてみてください。 |
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三遊亭 圓窓 | |
2000(平成12)年7月14日(金) 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 1000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
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[紺屋高尾] まだ演ってなかった圓生物。[幾代餅]と同型なので敬遠してたのか。 [三文鐘] この会のおかげで民話落語も増え、寄席で十日興行も日替わりでOK。 [猿後家] ついに外国小説にまでを出した。もう題名だけでもおわかりであろう。 |
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2000・6・15 UP |
四月十日、外国映画〔グリーンマイル〕を見てきました。 いやぁ、ものすごい感動ものです。「勘当者」じゃありませんよ。 あたしの洋画狂いは、ますます続きそうです。いや、あたしだけでなく、洋画を見る多 くの者が異口同音にそう言いますので、狂者はどんどん増えていくことでしょう。 洋画がなぜにこうも感動を与えてくれるのか、段々わかってきました。 その多くがキリスト教が底辺にあるので、あたしには教義のことはわかりませんが、普 遍として〔人間愛〕があるからなんでしょう。 日本人が良く口にするのが「義理人情」です。洋画のテーマは「人間愛」なんです。 政治家やヤクザの世界なら「義理人情」を最優先させるでしょうが、幸か不幸か、あた しは噺家。やはり、「人間愛」にうたれます。 人間には、生まれながらに愛は必ず備わっているものなのですが、日本人はそれを知ら ないのです。知っててもどう表現していいか、迷っているのでしょう。 愛は備わっているもの。恋は感じるもの。結婚は考えるもの。人生はまっとうするもの。 落語に愛を描きたいと、創作を始めたんですが、まだまだ……。 |
三遊亭 圓窓 |
2000(平成12)年5月12日(金) 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 1000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
その四八三 古典落語 小言念仏 その四八四 肥後国の民話落語 袈裟斬り地蔵 その四八五 古典落語 猿後家 |
[言念仏] 生活の中に生きた小言は少ない。「念仏もそうなんですよ」と僧が言。 [袈裟斬り地蔵] 民話から仏教を抜いたら、その数は極減するだろう。また、仏笑落語。 [猿後家] 「後家という字は 後ろに家よ 前の空家は 誰に貸す」。大きなお世話。 |
2000・4・12 UP |
今年一月の二二日に、やっと落語協会のインターネット・ホームページがスタート した。三一日には、世界初の〔インターネット落語会〕が中継され、それがリアルタ イムで地球を駆け巡った。 この〔圓窓五百噺を聴く会〕は、自慢にもならないが、スタートして二六年とちょ っと。時の流れは、物事だけではなく、人との繋がりにも変化をもたらせていること を、しみじみと感じる。 その頃、協力してくれた人々の九割が、今やもう、落語とは遥かに遠ざかった人間 になってしまった。普段から、落語の思い出話しか出来なかった連中だった。 先日、「〔圓窓五百噺を聴く会〕を去年、初めて知りました」というコンピュータ 関連の仕事をする二十歳の若者が協力者になってくれたとき、「スタートした頃、こ の人は生まれてなかった…。パソコンも一般の生活になかった…」と、痛く感動を覚 えてしまった。 パソコンがテレビと同じような感覚で一般家庭の部屋に置かれる時代は、すぐそば まできている。好むと好まざるに関わらず、パソコンは生活の中に入ってくる。 「食わず嫌いにならないよう、将来を見よう」と、噺家が呼びかける時代なんです、 今や。 |
三遊亭 圓窓 |
2000(平成12)年3月10日(金) 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 1000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
その四八〇 古典落語 提灯屋 その四八一 播磨国の民話落語 空飛ぶ托鉢 その四八二 タイトルを変えて 立て替えの遊び |
[提灯屋]現在、提灯は生活必需品ではないが、インテリアとして生きている。 [空飛ぶ托鉢]民話の中には、とても考えられないことが実現され、それが感動的。 [立て替えの遊び]落ちを先触れさせるようなタイトルは好きになれなくて、改題した。 |
2000・3・9 UP |
去年も開催したが、国立演芸場の12月上席の公演は、今年もあたし(圓窓)の企画で [夢現実焙茶湯煙(ゆめうつつほうじのゆけむり)]という復活落語。 20数年前、掘り起こした噺で、この会でも演った[ほうじの茶]を若手の出演を願って 歌舞伎模様に仕立てたもの。 去年の[寄席舞踊夢枕屋(よせおどりゆめのまくらや)]が立てた大入り五回の記録は破 れなかったが、踊りも新たに振り付けしたり、声色が登場したりで賑やかに舞台を飾った。 ある客が「圓窓さんは長い療養生活から復帰した」と言ったとか。 ポスターやチラシの[圓窓の復活落語]の文字を見て、「再起して最初の高座」と解釈し たらしい。 この際、この手の落語の名称を[寄席芸舞台噺]と命名しようかな、と考えております。 本来、落語は一人で、高座で演ずるもの。それをあえて大勢出して、しかも、歌舞伎模 様だから舞台を思わせる。そんなところから、[寄席芸舞台噺]。 どうか、認知してください。 |
三遊亭 圓窓 |
2000(平成12)年1月14日 夕 6時半 名古屋・含笑寺 入場料 1000円 チケット予約や問い合わせは 世話人・大島宅へ T 052−671−2968 F 052−671−4318 |
その四七七 古典落語 金明竹 その四七八 佐世保の民話落語 鬼の通い酒 その四七九 嘉兵衛評伝 ウラー 菜の花 |
[金明竹]ご存知の古典、名作、与太郎、前座噺。この噺に狂言との接点もある。 [鬼の通い酒]世保の落語会に行った折り、聞いた昔話を落語化。いい鬼の代表。 [ウラー 菜の花]高田屋嘉兵衛とは何者ぞ。落語化しにくい人物をあえて取り上げた。 |
1999/12/19 UP |