『妖怪草紙 くずし字入門』アダム・カバット
著 |
2001・07・15 発行 柏書房 刊 定価 定価2300円+税 |
江戸時代に流行ったという草双紙は今のマンが本。「今、それを読んでみたくとも、
絵の面白さはわかっても、ほとんどが仮名であるにもかかわらず、あのくずし字が読
めなくてねぇ」と嘆く人が多い。あたしもその一人。それに見事に答えてくれたのが、
この本。妖怪の草双紙をテキストとして、わかりやすく、かつ、江戸の知識を得なが
ら、解説をし、問題を出し、そして、復習の大切さを力説する。「この本で取り上げ
た仮名86数、漢字69数を身に付ければほとんどの草双紙は読破できる」と言う。
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2001・9・26 UP |
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『落ナビ』落語ナビゲート隊 |
2001.09.10発行 文芸社 定価(税別)1500円 |
落語の入門書。この手の物はどの書も落語家のトップ、ベテランから扱っていく創
り。だが、この『落ナビ』は01年9月に真打に昇進する落語協会の若手10人にス
ポットを当てながら「落語とはなんぞや」「寄席とはどこぞや」を進める。販売とし
ては冒険的な書であるが、発想としては画期的な書であり、拍手を送りたい。見飽き
のない生き生きとした写真やイラストを配置して週刊誌のような創り。気なしにどこ
をめくっても、読んでおこうおかなと思わせる構成、デザイン。読みやすさ、楽しさ
のある上級の書であろう。
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2001・9・26 UP |
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『落語のすべて』TBS落語研究会編 |
1999.08.25発行 日本文芸社 定価(税別)1500円 |
編集元が[TBS落語研究会]。知る人ぞ知る、頑ななプロデゥーサーの色が強く
出ているホール落語会だから格調高すぎて初心者には読みにくかろうと思うと、さに
あらず。サブタイトルが「まるごと落語がわかる本」「とことん楽しむ」とあるよう
に、幅広く易しく作っている。たぶん、その頑なな人はタッチしてなくて、TBS事
業部の手による編集であろう。なにはともあれ、圓窓・窓樹の師弟が載っているから、
一読の価値はある。 |
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『落語・歌舞伎あわせ鏡』清水一朗 著 |
1998/11/25 発行 三一書房 刊 定価(税別)2200円 |
時期を同じく落語と歌舞伎のつながりを記した本がまたもや出た。この著者は落語
界では「宇都宮の清水さん」と呼ばれ、宇都宮近辺において自分も落語を演じるが、
プロを招いての落語会も主宰しているので落語は詳しい。また、歌舞伎の台本も書き、
松竹から大きな賞も受賞している。それだけに知識、資料は豊富でセンスもいい。「
圓窓からの質問がきっかけとなって、この本を書き上げた」と著者は前書きで述べて
いるのが、圓窓には嬉しい。文章を多くして、たっぷり読ませようという本。二冊読
むといい。
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『落語と歌舞伎粋な仲』太田博 著
1998/10/12
発行 平凡社 刊 定価(税別)1600円
国立演芸場で[寄席芸の中に見る義経三本桜の世界]を企画した折、著者を交えて
の座談で「鼓の皮は歌舞伎では狐、義太夫では羊」と教えてくれた人。圓窓は載って
いるのか。載ってます。圓窓が国立演芸場で演じた落語[猫の忠信]で宙乗りをした、
その歴史的な(?)の写真を載せているから、貴重なことこの上ない本。もちろん、
その他の写真も多く載せて見せる楽しみがあり、解り易く読ませること間違いなし。
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『寄席殺人事件』永井泰宇 著
1999/08/05 発行 講談社ノベルズ
刊 定価 定価(税込み) 924円
この本も圓窓が推薦している。「泰平の落語業界に殺人という大トラブルを放り込
んだのがこの小説」と。きめ細かい筆のタッチは読みでのある大作だ。著者は圓窓の
高校時代同級生で、劣等性の順位を争った仲。卒業後すぐ、漫才の三球・照代の台本
を書いたことがあるそうだ。ただし、それが寄席で演られたかどうかは、いまだに不
明。 |
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『落語つれづれ草』柳沢睦郎 著
1994/07/10 発行 鳥影社
刊 星雲社 発売 定価(税込み)1400円
圓窓が推薦文に「著者は貴重な昭和の落語の生き証人」と評した。これほど素直に
真面目に落語を愛した日本人はそうはいないだろう。まさに生き証人。著者は寄席で
もホール落語会でも必ず前座から聞き、素直に笑い声を発して落語を楽しんでいる。
「前座、二つ目は聞いちゃいられねぇ」とか、「先代はよかった」などと、気取って
ロビーの椅子に腰を下ろして、お目当てが高座に出るのを待っている人種とはわけが
ちがう。
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