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『海の上のピアニスト』 |
作:アレッサンドロ・バリッコ 訳:草皆伸子 発行:白水社 値段:1200円+税 購入先:西武リベロ 始読:1999・12・26 終読:1999・12・26 |
[海の上のピアニスト]の映画を見たばっかりに、この原作の本を買ってしまった。 元々、海の向こうからきた本は読まないことにしていた。なにしろ、カタカナで書かれ たものが、人名なのか、地名なのかと思案しているうちに、面倒臭くなってその本を手放 してしまうのが常であったから、終読まで行き着いたことがなかった。 シェイクスピア全集を読み始めたのも、映画[恋に落ちたシェイクスピア]を見てから だから、だいぶ馴れてはきたが、まだまだ、投げ出す癖は頭を出す。 [海の上のピアニスト]を見て、大々感動したことは映画三昧に書いた。ついでに、友人 のTさんの女房に電話して、その感動を伝えた。彼女は古くからの洋画ファンで、あたし が「エジソンと面識があるんじゃないかい」と冗談をぶつけたほど、洋画には詳しい。近々、 彼女を中心にして[洋画ファンクラブ]を結成しようという運びにもなっている。 さて、電話口で彼女曰く。 「あたしはまだ見てないの。でも、原作は先に読んだの」 そんなことから、あたしも彼女に遅れ馳せながら、原作書の購入とあいなった。 池袋の西武のレベロで買って、新宿末広亭へ行く車中、読んだ、読んだ。車内放送も耳 には入らなかったほどだから、夢中だったんだろう。 新宿三丁目駅で下車したが、ちと、考えた。このまま楽屋へ入ると、大勢いる中であた しだけが一人で読書にふけるわけにもいかないし、どうしても読書はできなくなる。とい って、この夢中は中断させたくない。高座の時間まではまだあるので、ホームのベンチに 腰を下ろし、読書を続けた。 一人芝居としての本である。台本を読むということに関して、あたしはまだまだ馴れな いのでなかなか舞台が描ききれない。しかし、映画を見たおかげで(原作者は怒るだろう が…)、その本の凄さがよくわかった。 嵐で揺れる船の中でのピアノと一緒に滑りながらの演奏。ジャズ演奏の決闘。原作にあ るんだ、とわかると、またもや瞼に涙が溜まり出した。 娘を見初めること、楽器屋のことは本にはないが、しかし、この本の一人芝居なら、日 本でも大いに公演されることだろう。 そうなったら、見に行かなくちゃ。 |
1999・12・30 UP 『海の上のピアニスト』の関連頁は、笑涯楽習ホール/映画三昧/海の上のピアニスト |
シェイクスピア全集に夢中 |
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シェイクスピア全集 | 「ベニスの商人」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「ロミオとジュリエット」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「夏野の夜の夢」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「じゃじゃ馬ならし」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「お気に召すまま」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「恋の骨折り損」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「ハムレット」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「オセロー」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「リア王」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「マクベス」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
シェイクスピア全集 | 「ヘンリー六世・第一部」 | 訳・小田島雄志 | 白水Uブックス | |
文責 圓窓 |
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この初夏に映画「恋に落ちたシェイクスピア」を見てから、シェイクスピア全集を読み直そうという笑涯楽習気分になり、読んだ、読んだ。もちろん、これからも読み続けますが、とりあえず、列記しました。 かねて、小田島先生へ出していた翻訳書の使用願いの手紙(この圓窓が[ベニスの商人]を脚色した創作落語[胸の肉]に先生の訳書の名台詞を挿入したい気持ちに駆られました。訳者の先生に使用許可をいただきたく、次いでにその創作の高座本も添えて、願書を出す次第でございます)の返信が来た。まるで、乙女のように胸をときめかせて、開封。 先生からの返信をちょっと抜書きしてみる。 拙訳、ご使用いただき、シェイクスピアともども(?)大喜びです」 文面の冒頭から、先生の洒落が飛び出す。 実におもしろく、みごとに落語化されていて、驚嘆しました」 いやはや、そんなに絶賛されたんじゃ、困ってしまう。いや、いや、落ち着こう、興奮しないで。とりあえず、先生は高座本まで目を通してくださったのだ。これは、嬉しいやな。 「ここ20年ほど、芝居を見るだけで(月に30本、ときにはそれ以上、昼夜を使って見てます)いっぱいで、寄席にも遠ざかっていました」 落語関連者で月に30回も通う人、いるかしら。いないだろうな。そんなに栄えた業界じゃないもの、落語界は。 なお、翻訳使用料につきましては、拙著、拙訳書、お買いあげいただいた分で、受取りずみ、とさせていただきます」 嬉しいな。絶叫したいほど、嬉しい。だけど、お買い上げ、というところが心苦しくなる。なにを隠そう、全集は近くの区立千早図書館で借りたもの。しかも、『早く返してください』との電話をもらいながら、読んだもの。今さら、先生にそんなこと言えないし……。でも、先生のエッセイは、ちゃんと紀伊国屋書店で買ったもんね。 |
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1999・8・吉日 UP |