"圓窓五百噺"達成記念落語会

平成１３年５月６日（日） 午後１時開演　国立演芸場

ぷろぐらむ

（助演者の落語の出し物は、圓窓から稽古を受けた作品の内より選出しました）

一、 朗読〔圓窓師匠と私〕　落語っ子連：休診　カルテ　まどべ　円ドル　舞大 一、その　　一「半分垢」　　　　圓窓 一、その　三六「子褒め」　　　　窓輝 一、その一三六「万病円」　　　　窓樹 一、その　四二「町内の若い衆」　窓里 一、その　　七「普段の袴」　　　吉窓 一、座談「面と向かっては言えないこと」窓門：吉窓　窓里　窓樹　窓輝 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　他門：一朝　小金馬 　　　　　　――　中　入　り　―― 一、 落語とギターのジョイント「圓窓五百噺の昔咄の世界」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圓窓　榎本裕之（落語っ子連：無弦） 一、その二九六「厩火事」　　　　小金馬 一、その　四五「武助馬」　　　　一朝 一、その五〇〇「五百羅漢」　　　圓窓

［半分垢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト//半分垢 ［子褒め］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/子褒め ［万病円］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/万病円 　［町内の若い衆］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/町内の若い衆 ［普段の袴］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/普段の袴 ［厩火事］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/厩火事 ［武助馬］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/武助馬 ［五百羅漢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/五百羅漢

2001･6･3　UP

朗読 " 圓窓師匠と私 "　

落語っ子連：休診　カルテ　まどべ　円ドル　舞大 落語っ子連とは、圓窓師から落語を 真面目に稽古を受けるグループ名。

" いただいた葉書は宝物 "

読み手：三橋敏武 こと 三流亭休診（現 代脈(だいみゃく)）

昭和４８年、名古屋の含笑寺で「圓窓五百噺を聴く会」が始まりました。東京では、 一ヶ月遅れで「圓窓を聴く会」がスタートしました。いずれも隔月で、名古屋が奇数 月、東京は偶数月の開催でした。 　東京での会場は、銀座一丁目にある「アサヒビアホール」。当時、中学生だった僕 が初めてその会場に足を運んだのは、昭和４９年２月でした。前もって師匠と手紙で のやり取りがあり、「都合がついたら聴きにおいで」と葉書をいただきました。それ が、この「圓窓を聴く会」の案内状だったのです。 　中学生の僕は自分ではもうすっかり大人のつもりでいたのですが、楽屋を訪ねた時 の師匠の第一声は、「一人で来たのかい？」という言葉でした。子ども扱いされてち ょっとガッカリしたのを、今でも覚えています。 　その後、落語会は、本牧亭、スタジオ２００、西武ロフト、コミュニティカレッジ と場所を変え、あれからもう３０年近くたってしまいました。あの時の師匠より現在 の僕のほうが歳が上になっているのですから、思い出してみると不思議な気分になり ます。 　あの時は、もらった葉書が嬉しくて嬉しくて、何度も読み返したものです。その葉 書は宝物となり、引出しの奥に大事にしまっておきました。あまり大事にしまい過ぎ たようで、この間から探しているのですが・・・、いまだに見つかりません。 　　　　　　 " 婚礼の司会までしていただいて " 　　　　　　　　　　　　　読み手：三橋 こと 三流亭カルテ（現 清女(きよじょ)） 　主人と知り合うまで落語というものに接したことのない私が、いきなり結婚式の打 ち合わせで噺家さんと対面しました。その名も三遊亭圓窓師匠。もう落語協会の理事 をしているような方に私どもが結婚式の司会をして頂くというのは、総理大臣が区役 所の窓口で対応しているほど、大変なことです。このことが落語ファンの中でいまだ 語り継がれていることは、言うまでもありません。 　主人の病気がうつったかのように、私まで落語に触れるようになり、落語会でも語 り継がれるであろう「五百噺」にも接することができました。 　圓窓師匠には、落語はもとより、人生の先輩としても様々なことを学びました。そ の中の一つに、身をもって学び得たものがあります。それは、「人の話は、最後まで 聞く」ということ。師匠を含め、師匠の周りにいらっしゃる方々は、会話の節々に必 ずといってもいい程の洒落が付いてまわります。うっかり真剣に話を聞いていると、 単に洒落を言う為の序曲に過ぎなかった、なんてことを何度となく経験してしまいま した。 　途中参加ではありますが、「五百噺」という長い旅にご一緒することができ、とて も幸せに思います。そして、今この場に立っていることは、孫の代まで語り継がせる ことをお約束します。 　　　　　　　 " 名古屋で五百席目の見聞ができた " 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　読み手：川崎加奈子 こと 三流亭まどべ 　一昨年の夏、落語情報誌「東京かわら版」で、圓窓師匠のホームページが始まった という広告を目にしました。かねてより密かに待っていた師匠のホームページが始ま った。その嬉しさに、つい、ファンレターならぬファンＥメールを出してしまったの が、私の運の尽き、いえ、始まりでした。 　そのホームページの中でひときわ心を惹かれたのが、「圓窓五百噺を聴く会」に通 うファンの方が書かれたレポートです。名古屋のお寺で開かれているというその会。 二十数年に渡って師匠のライフワークとして続いているというその会。次第に、私も 是非、名古屋でその五百噺を聴きたいと思うようになりました。しかも、二〇〇一年 春に五百番目の噺が終わるというのですから、尚更です。 　かくして、私は五百噺の会へ二回行くことができました。そのうち一回は、五百噺 達成の時でした。その会場の和やかな雰囲気を味わうと共に、三十年近く目標を持っ て何かを続けることの尊さを教えられました。五百噺完結に間に合って落語ファンに なった幸いに、今、感謝しています。 　その後、ありがたくも、私は師匠から小噺を教わることになりました。まずは、雷 様とお日様とお月様とが旅をする噺。それが私の稽古の始まり、いえ、まさに私の運 の尽き（月）でございました。 　　　　　　 ”池袋のコミカレに魅せられて” 　　　　　　　　　　　　　　　　読み手：吉村輝寿 こと 三流亭円ドル(えんどる) 　私は金融機関に勤めていることから円窓師匠より三流亭円ドルという「円」の一文 字が入った大変有難い名前を頂いております。 　師匠とのご縁は私が池袋のコミュ二ティカレッジの五百噺のクラスに通い始めたの がきっかけですが、このコミカレは一言で言って絶対にお勧めです。 　先ずクラスが少人数な事もありコミカレは師匠と知り合いになれる絶好の機会なの です。すぐ目の前で師匠の噺が聞けるのは当たり前。クラスの最中に師匠が話し掛け てくれたり、時には師匠から手紙や電話をいただいたりします。 　それからクラスが浮世離れしている点も魅力です。先日も会社でバタバタと仕事を し終わって、クラスに飛び込むと、師匠の五百噺の題材になっている鉄の鉢について 「てっぱち」と読むのか「てっぱつ」と読むのかと延々と議論しているのです。 　どちらでも話の筋が変わるわけでもなく、まして世の中どうなるわけでもなく、最 初は「何これ？」という感じがしたのですが、何回か参加するとあの独特の雰囲気が 忘れられずにまた行ってしまうのです。 　とにかく一度、池袋のコミカレに来てみてください。落語風のワンダーワールドが 「窓」を開けて皆さんをお待ちしています。 　　　　　 " 落語と一人芝居の関係 " 　　　　　　　　　　　　　　　　　　読み手：小野寺丈 こと 三流亭舞大(ぶたい) 　圓窓師匠と私の出会いは、元々、母と師匠が中学校の同級生であったことがきっか けでした。 　おかげで若い頃から、圓窓師匠、そして落語というものに触れることができました。 　私は、役者という職業柄、古き良きもの、新しいもの、様々なジャンルの芸能に興 味を持ちチャレンジしたいという気持ちをいつも持っておりました。 　ある時、僕は、一人芝居に挑戦しようと思った時に、一人で演じるという意味で落 語との接点を見出し、あつかましくも師匠に落語を教えていただこうと思いました。 「子褒め」「町内の若い衆」「後生鰻」「ぞろぞろ」「釜泥」等々。池袋演芸場、上 野鈴本演芸場で師匠との二人会「落語と一人芝居の関係」も開催させていただきまし た。 　落語の奥深さに惹かれ、古きものを大切にしながら、新しいことにもチャレンジし 続ける圓窓師匠の姿にも惹かれて、僕が勝手に師匠の周りをウロウロしていたら、つ いには名前までいただくことになりました。最初、聞いたときはブタかと思いました が、違いました。

［子褒め］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／子褒め ［町内の若い衆］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／町内の若い衆 ［後生鰻］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／後生鰻 ［ぞろぞろ］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／ぞろぞろ ［釜泥］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／釜泥

2001･6･10　UP

座談会" 面と向かっては言えないこと "

窓門：吉窓　窓里　窓樹　窓輝　　他門：一朝　小金馬

窓樹「噺が続いておりますが、ここで”座談コーナー”と称しまして、我が師匠 圓 　　窓についてお話をしたいというコーナーでございます。 　　　こちらが窓門、つまり圓窓一門の吉窓、窓里、窓輝でございます。 　　　それから今日ご出演の一朝師匠、小金馬師匠という他門の師匠、お二方。 　　　司会はあたくし、三遊亭窓樹でございます」 一朝「ヨッ！」（並んだ中で一朝一人が拍手） 窓樹「一朝師匠と小金馬師匠はうちの師匠から比較的多く噺を教わっているという、 　　そういうことでご出演いただいたんですが」 一朝「あ？　そう？」(笑) 窓樹「え？　初めて聞いたんですか？」 一朝「知らなかった、全然」(笑) 窓樹「なぜ今日、出演しているかを知らなかった？」 一朝「うん。｛考え直して｝ああっ、そういうことか……」(笑) 窓樹「そういうことらしいですよ。一朝師匠はうちの師匠から稽古は何席ぐらい？」 一朝「え〜っとですね、２０席ぐらいあるんじゃないですか」 窓樹「じゃ、ずいぶんありますね。元々うちの師匠とは？」 一朝「あたしの師匠の柳朝と、家が近いんですよ、圓窓師匠は」 窓樹「はいはい、そうですか」 一朝「で、うちの師匠んちはね、部屋が６畳と４畳半しかないの。『お前、邪魔だか 　　ら向こうへ行け』って。（笑）だから邪魔にされて、圓窓師匠んところに稽古に 　　行ってたようなもん」(笑) 窓樹「はぁ、それがきっかけですか？」(笑) 一朝「そうそう。いやなきっかけでね」(笑) 窓樹「教わったのは前座の頃ですか？」 一朝「そう、前座だった。二つ目になるちょいと前ぐらいだったかな」 窓樹「はぁ。じゃあ、まだうちの師匠、前の古い家の頃ですね？」 一朝「そう、あの汚い家」(笑) 窓樹「当時はどんな感じの稽古でした？」 一朝「そうですね、厳しいというか、丁寧に教えてくれましたね。それは大変に助か 　　りました。ですから、基本をびしっと教わるには大変に素晴らしい師匠でしたね」 窓樹「あぁ、｛しみじみと｝さいでございますか……」 一朝「なんか、圓窓師匠が亡くなったみたいだね。（笑）言い方が悪かったですね。 　　失礼しました、どうも」 窓樹「小金馬師匠は、前座の頃、一朝師匠とどっちが多くネタを覚えるかなんて、よ 　　く争っていたなんて話も……」 小金馬「ええ、競争して、稽古しましたね」 一朝「生意気によくやりましたよ、こいつも」(笑) 小金馬「やっぱり前座の頃、私が１０４つ覚えたんですが、その時、一朝さんが１０ 　　８つ覚えましたね」 窓樹「１０８つ！　すごいですね」 一朝「除夜の鐘みたいだね」(笑) 窓樹「で、うちの師匠のところへ稽古に？」 小金馬「もちろんそうです。それに、その前から”ダジャレーズ”という野球チーム 　　がありまして、その団長を圓窓師匠が務めてらして」 一朝「監督と言っておやりよ」(笑) 小金馬「失礼しました。私がエースで４番でした」 一朝「そんなこと誰も聞いてないよ」(笑) 小金馬「またまた失礼しました」(笑) 一朝「失礼ばかりだね」 小金馬「ある年、野球と抱き合わせの落語会みたいなのがあって、師匠と落語の仕事 　　で一緒する縁があって、それからですね、稽古に通い始めたのは」 窓樹「いくつぐらい稽古を？」 小金馬「５００ッ」 窓樹「５００！？　じゃあ、今日はもう、小金馬師匠が演ってもいいんじゃないです 　　か」(笑) 小金馬「いやいやいや、冗談冗談」(笑) 一朝「誰も本気にしないよ」(笑) 窓樹「こちらは窓門です。 　　　まず総領弟子の吉窓兄さん。元々、兄さんは入門したきっかけというのは、最 　　初、師匠のところに行ったときに『自衛隊に行け』と言われたとか。それはどう 　　いうことでなんですか？」 吉窓「『しばらくは収入が無いから、前座のうちぐらいはなんとかなるようなお金を 　　貯めて来い』と言われて。そのときはもう高校３年の３学期だったから、『さあ、 　　これから勤めるったって、どうしようかなあ』と思って、ふっと目に付いたポス 　　ターが”自衛官募集”」(笑) 吉窓「あ、これならいいんじゃねぇかってんでね」 窓樹「何年間？」 吉窓「２年間、行ってきました。陸上自衛隊」 窓樹「で、２年後に師匠のところへ？」 吉窓「そう。そしたらもう、諦めてたね、師匠は。（笑）行ってきたんなら、しょう 　　がねぇな、もうとるしかねぇなって」 小金馬「ちなみに自衛隊に２年間いて、いくら貯まったの？」 吉窓「う〜ん、その当時、１００、２００万近く貯まったんじゃないかな」 小金馬「その金、どうしたの？」 吉窓「もう、湯水のごとく」(笑) 一朝「まだあるの？」(笑) 吉窓「いえいえ、もうありませんよ」 一朝「師匠に半分取られたとか？」(笑) 吉窓「いえいえいえ、三分の一取られました。（笑）そんなことないです」 一朝「談志一門じゃないんだから、師匠から金はとられないでしょう。（笑）でも、 あれから圓窓師匠のナリが良くなったからさ」（笑） 窓樹「何か思い出に残るような、大きなしくじりってありました？」 吉窓「そういう意味でいうと、俺だけじゃねえかね。弟子ん中で『破門だ！』って言 　　われてないのは」 窓樹「あ、言われたことないですか？　それぐらい優秀な弟子だったてぇことです 　　か？」（笑） 吉窓「う〜ん、俺が覚えてないだけかなぁ」（笑） 窓里「師匠は言えなかったんじゃないの？　かわいそうで」（笑） 一朝「吉窓が恐いからだよ、鉄砲持ってるから」（笑） 窓樹「そりゃ恐いですよ、鉄砲はね。 　　　で、わざわざ今日は、川越から市議会議員の窓里兄さんに来ていただきました」 一朝「『先生』って呼ばなきゃ」（笑） 窓樹「じゃァ、先生」 窓里「なんだい、じゃァとはッ！」（笑） 窓樹「先生、今日のスケジュールは？」 窓里「今朝は野球大会があって、朝４時半に起きて、早朝から野球をやってまいりま 　　した」 窓樹「早いですね」 吉窓「票につながると思うと、寝ちゃァいられない」（笑） 窓里「いたって健康的な芸人でございます」 窓樹「では、しくじりの話を」 窓里「私はね、数多いですよ。ずいぶんありました。師匠に『出てけ』とか『明日か 　　ら来なくていいよ』とか、そんな柔らかい言い方じゃないです。 　　『来るな！　二度と来るな！　明日から来るな！　破門だ！』と言われたんです 　　けどね。（笑） 　　　そのときに、どうしたらいいかなと思って、おかみさんに相談したんです。そ 　　のとき、『そんなこと言わないで、また明日から来て、謝っちゃえばいいんだか 　　ら』と言って私を優しく包んでくださったおかみさんに、まずこの場を借りてお 　　礼を申し上げます」（笑） 窓樹「臭いですね」（笑） 窓里「多分、おかみさんの身内の方もこの場にいらっしゃると思います。おかみさん 　　あっての私でございます。以上、報告終わり」（笑） 一朝「うまいね、さすが先生だね」（笑） 窓樹「この中で、唯一のお身内がいます。（笑）ご存知の方もいらっしゃるでしょう 　　が、師匠の三男でございまして」 窓里「災難？」（笑） 窓輝「三男、三男、三男ですッ」（笑） 窓樹「災難じゃありません、三男ですよ。（笑）やっぱり弟子ですとか、他の噺家さ 　　んにはわからない部分を、彼はそれこそ生まれたときから一緒にいるわけですか 　　ら、見ていると思うんですが、子供の頃はどんなお父さんでした？」 窓輝「これ、正直に言っていいんですか？」（笑） 窓樹「正直に言っていいから」 一朝「大丈夫、師匠に言わねぇから」 窓輝「楽屋にいますから」 一朝「耳ィふさいでるよ」（笑） 窓樹「大丈夫だよ」 窓輝「まぁ〜、厳格な……」 窓樹「厳格な、うん」 吉窓「いい言葉だねェ」 一朝「漢字で書けるかい？」 窓樹「すぐには書けません。（笑）それから？」 窓輝「厳格で…」 全員「うん」 窓輝「それでいて…」 全員「うん」 窓輝「どこかこう…」 全員「うん、うん」 窓輝「何かこう…」 一朝「何だよ、はっきり言えよ」（笑） 窓輝「まあ、あったか味があるというか…」 窓樹「あぁ、あったかみがね」 窓輝「また、ないような…」（笑） 窓樹「どっちなんだい？」（笑） 吉窓「よくわかんないね」（笑） 窓里「優柔不断だね」（笑） 窓樹「あなたが噺家になってから、師匠は変わった？」 窓輝「一層厳しくなりました」（笑） 窓樹「あぁ、やっぱりそりゃそうだよね。噺家になってから、しくじりというか、怒 　　られたことというか、あんのかな？」 窓里「のべつ怒られてるよ」（笑） 窓樹「のべつ怒られてんの？」 窓輝「はい。５００ぐらいあります」（笑） 窓樹「５００！？　しくじり五百噺！（笑）う〜ん、これは他の人には言えないけど 　　も、師匠の弱点を知ってるでしょう、ない？」 窓輝「師匠の弱点ですか？　やっぱり息子じゃないですかね」（笑） 窓樹「え？　師匠は息子が弱点なの？」 窓輝「やっぱり、あたしがもうちょっとしっかりしなきゃいけないんですけども……。 師匠もあたしのことを責められると、ちょっと弱いんじゃないかなと」 窓樹「そういう弱点なんだ。じゃ、なんかあったときは窓輝のことを出せばいいわけ 　　だ」（笑） 窓輝「ええ、どうぞ出してください」（笑） 吉窓「そうだよ、俺なんかずいぶん肩車したりなんかしてね」 窓輝「師匠をですか？」（笑） 吉窓「馬鹿なことを言うなよ、お前さんをだよ」（笑） 窓輝「ああ、ありがとうございました、あのときは」（笑） 吉窓「今頃、礼を言うなよ。（笑）近くの長崎神社の縁日なんかで」 窓里「ほんと、ほんと」 一朝「俺なんか、窓輝のお尻拭いたよ」（笑） 窓輝「あ、どうもありがとうございます」 窓里「それ、趣味ですか？」 一朝「おいおいおい。（笑） 　　『ロッキー、ロッキー』って言われてただろう」 窓輝「大樹（ひろき）が本名ですから」 一朝「ロッキーって、俺、犬かと思ったんだよ」（笑） 窓里「はっきり言って、私はこの窓輝のために師匠をしくじったことがあるんだから」 窓樹「え？　兄さんが？」 窓里「掃除してる最中、こいつが一人で飯を食ってて、どかなかったとか」（笑） 窓輝「気がつきませんで」（笑） 窓里「そいで、しくじったことがある」（笑） 窓樹「聞いてるか、窓輝？」（笑） 窓輝「聞いてます」 吉窓「こいつがカマキリの卵をどっかで拾ってきてね。あたしが部屋の掃除しようと 　　思ったら、カマキリがこういっぱい出てくるんですよ。『誰だ！』ってぇと、こ 　　いつが拾ってきたってんで、文句も言えないし」 窓里「芋虫も飼ったりね」（笑） 吉窓「そうそう、芋虫も飼ったりしてた」 窓樹「なんか、窓輝の会みたいになっちゃいましたね」（笑） 窓里「カブトムシもいたね」 窓樹「カブトムシ？　いろいろ出てきますね」 窓里「こいつはね、子供のとき、いろいろ飼うのが好きだったの。虫とかね」 一朝「俺、昔、師匠んとこでえらい目に遭ったことがある」 窓樹「はいはい、なんです？」 一朝「犬がね」 小金馬「うるさい犬がいたね」 一朝「おいおい、はっきり言うなよ」 小金馬「犬がどうしたの？」 一朝「お中元だったかな、師匠んちへ顔を出したら、犬がバーっと来て、泥足でズボ 　　ンに飛び着いた。 　　　おかみさんが『まぁ、一朝さん、ごめんなさい。すぐ洗濯するから脱いで』っ 　　て。『いえ、大丈夫ですよ』『いや、駄目。脱いだらすぐ洗って、すぐ乾燥させ 　　るから』って。 　　『そうですか』ってんで、あたしはズボン脱ぎまして、パンツ一枚になって、師 　　匠のとこの台所に座ってたんです。おかみさんは洗濯に行ってるわけですよ。 　　　そこへ圓窓師匠が『ただいまァ』って帰ってきて、（笑）『おい、お前、何や 　　ってんだ！』って」（笑） 小金馬「間男だね」（笑） 一朝「あれからね、師匠、あたしに冷たくなった」（笑） 窓樹「そんなことがありましたか。小金馬師匠は何か師匠の弱点を掴んでますか？」 小金馬「弱点ねェ……」 窓樹「俺は知ってるけども、他の人には絶対に言ってないっての。今日ばかりは言い 　　ますっての」（笑） 小金馬「噺家はみんな、好奇心があって多趣味じゃないですか。圓窓師匠もご多聞に 　　漏れず、一時期、ライダーで、バイクやってらして」 窓輝「そうです、やってました」 小金馬「聞いた話なんですけども。冬場、寒いとき、厚い股引を２枚はいて、その上 　　にライダーのツナギを着て。まだ寒いからというのでウインドブレイカーを着込 　　んで、さらにその上からまたズボンはいて、ナナハンのバイクにまたがって。 　　　途中、オシッコをしたくなったようで。なにしろ、寒い中を高速道路を走って 　　ますから、限界になってるわけですよ。ようやくサービスエリアに着いて、急い 　　ではばかりへ行ったんですが、とにかく十二ひとえよりも厚着ですから、（笑） 　　簡単に出すに出せない。（笑）で、そのまんま漏らしちゃったという」（笑） 窓樹「僕も何度か師匠の生（なま）を見たことありますけど、あんまり大きくないで 　　すからね。（笑）出しにくいんですよ」（笑） 小金馬「本人は過信しすぎてたのかな」（笑） 　　｛憮然として圓窓師匠の登場｝ 全員「ああああああ」（笑） 窓里「早く謝っちゃいな、だから言わないこっちゃない」（笑） 窓樹「訂正いたします。とても大きいものでした」（笑） 圓窓「窓樹ッ、なんだい、お前はッ」 一朝「お前、真打を控えてるんだから、少しは口を慎めよ」（笑） 圓窓「窓樹ッ！　この節、女房だって俺の大きさ知らねぇんだぞッ。（笑）知っても 　　らいたいぐらいだよ」 窓樹「｛窓輝さんに｝大きい？」 窓輝「いえ、あの……、ほんの中ぐらい」（笑） 全員「ほんの中ぐらい！」（笑） 圓窓「小金馬ッ。俺が小便を漏らしたって？！　誰が言ったんだ、そんなこと！」 小金馬「伯楽師匠に……」 圓窓「じゃァしょうがねぇ。あいつは現場にいたんだから」（笑） 窓樹「証人がいるんですね、ちゃんと」（笑） 圓窓「ほんとだよ、それ。だけど、ここだけの話だぞ」（笑） 小金馬「わかりました。他で言いません。あたしは口は堅いほうですから」 圓窓「いちばん柔らかいよ。（笑） 　　　まぁ、それはそれとして、今日はいろいろありがとう」 一朝「悪口を言って、礼を言われたの初めてだよ」（笑） 圓窓「それでですね。稽古に来たということは、大袈裟に言えば、あたくしから皆さ 　　んに噺が伝わったって形なんで。その証拠として、また記念として、題名と芸名 　　の入った表札を差し上げたいと思います」 全員「やぁぁ！　ありがとうございます」 圓窓「｛客席に向かって表札を見せながら｝このあと、小金馬、一朝の二人があたく 　　しから教わった噺を演ります。 　　　一朝さんはあたくしの掘り起こした噺［武助馬］を演ります。これは芝居噺で、 　　彼は故人になりましたが、片岡市蔵さんの息子さんになった噺家です。そういう 　　訳で、歌舞伎はもう、御の字です。ですから、後年『一朝』ってぇと〔武助馬〕 　　ってことになるようにこの先も演ってもらいたい。 　　　というわけで、一朝さんにこれをプレゼント」（拍手） 圓窓「小金馬さん。あぁたのもあります。［厩火事］ね」 小金馬「あ、ありがとうございます」 圓窓「で、くどいようだが、小便のことはあんまり言わないように（笑） 　　｛窓門に｝お前さんたちにもあるから」 窓門「いただきます」 圓窓「窓輝が［子褒め］、窓樹が［万病円］、窓里が［町内の若い衆］、吉窓が［普 　　段の袴］」 窓門「ありがとう存じます」 圓窓「ほんとは３対３になるように、もう一人ゲストを決めてたんですよ。 　　　それは、この間、４月の２９日に亡くなった古今亭右朝なんです……。 　　　あたくしからいちばん噺を教わってんじゃないかな。志ん朝さんのお弟子さん 　　でね。 　　　彼のかみさんもあたくしの落語が大好きだ、なんてぇことを彼から聞いたこと 　　があるんですが……。右朝夫妻は犬や猫が大好き、なんてこともあって、うちの 　　女房と話が合う。で、ちょいちょいうちに稽古に来てました。残念ながら早立ち 　　してしまいました……。 　　　右朝には［淀五郎］も教えたんですよ。あいつは芸談好きで、話し込むととこ 　　とん相手を問い詰めるって、そういう感じの男でした。だから、芸談物の〔淀五 　　郎〕はもってこいだと思ってね。『右朝』ってえと［淀五郎］なんてことになる 　　んじゃないかなあと思ってたんですが、先立ちました……。 　　　多分、今、西方弥陀の浄土、西ィ目指してることでしょう……。西は｛客席の 　　方を指す｝こっちだと思う……。 　　｛全員に｝あたくしがここを楽屋のつもりで『右朝！』って呼びかけますから、 　　みんなで『お疲れ様でした』って言ってやろうじゃないか」 全員「はい、わかりました」 圓窓「右朝！」 全員「お疲れ様でした！」（拍手） 窓樹「それでは、ここで中入りとさせていただきます。後半戦もお楽しみに。どうも 　　ありがとうございました」（拍手）

［半分垢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／半分垢 ［子褒め］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／子褒め ［万病円］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／万病円 ［町内の若い衆］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／町内の若い衆 ［普段の袴］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／普段の袴 ［武助馬］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／武助馬 ［厩火事］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／厩火事

2001･6･22　UP

三流亭まどべ "の楽屋レポ

−　壁 の 花 は 見 た　−

文　三流亭まどべ（仮名）

文字通りの五月晴れとなった２００１年５月６日、私は宿で慣れない和服に着替え、 国立演芸場へと急ぎます。正面入口を横目に見ながら右手を進み、階段を登ってくる りと振り向くと、そこが楽屋口でございました。 　おおっ！！！　ここだね、国立演芸場の楽屋口ってぇのはぁぁぁぁ！！！ 　Ｅメールのやりとりの合間、「弟子にしてくださいよぉ」の私の軽い一言に「じゃ あ、真面目に落語を稽古おしよ。名前は”三流亭まどべ”だよ」との圓窓師匠のお返 事。大喜びしたのもつかの間、「今度の落語会、仲間と一緒に短い朗読をやってね」 という圓窓師匠の気まぐれな、もとい、ありがたい一言をいただいて断りきれない事 態に陥ってしまった今日の私でございます。 　人前に素顔をさらすのは本意ではございませんが、ええい、ままよ、女は度胸。師 匠の五百噺達成記念という歴史に残る落語会でございます。こうなったら出演者の特 権を利用して国立演芸場の裏側をじっくり拝見させていただきます。転んでもただで は起きません。それが女の意地ってもんでございます。 　はじめに「女性用の楽屋」と通されたのは小さいお部屋。（以下、「女部屋」）そ の隣の大きな楽屋でのご挨拶から私の一日は始まりました。”落語っ子連”と命名さ れた本日の朗読要員である私たち落語素人集団。圓窓師匠とそれぞれの関わりを綴っ た短文を朗読することによって自然に師匠の人となりが浮かび上がってくるようにと 企画召集されたメンバー。楽屋での、プロギタリスト”無弦さん”と俳優が本業の” 舞大さん”の場馴れは当然にしても、”円ドルさん”の落ち着きはさすが百戦錬磨の 銀行マン。外科医”休診さん”は本日のめくりの数枚を書かれるほどの腕前の寄席文 字趣味人。奥様の”カルテさん”は手話通訳もできるベテランの看護婦さん。 　あぁあぁ、ズブの素人、言い換えると”深窓の令嬢”ってのは私だけってことです ね。 　朗読のリハーサルもそこそこに、私は高座裏を探検させていただきます。 　高座から見る客席は以外に狭い。これじゃあ、大口開けて笑ったら高座からは丸見 えですな。高座の上には、見慣れた額「喜色是好日」に代わって七福神の図柄。上手 にはロビーや客席のモニターや、機材。そして、楽屋奥の廊下にあるのは、なんとめ くりの収納棚ではございませんか。「落語協会」「芸協」「前座」などなど２０近く の細かい分類で棚に入れてあるのは、落語家さんや色物の芸人さんたちの本物のめく り。あぁっ、私のめくりがこの棚に入るのは一体いつの日のことでございましょう。 （ないないっ！） 　楽屋口からは着物姿の女性が登場。いらっしゃるなり楽屋や受付けを行ったり来た り。ぱたぱたてきぱきと師匠と打ち合わせしていらっしゃるこの方は、窓門会の飛脚 方の和田カルさんとのこと。聞きしに勝るお働きぶりに、感服敬服脱帽でございます。 　女部屋に戻ると、入口にさっきは無かった大きなかばん。どなたのかしらん？ 　と、そこへ現れたは、窓門唯一の、もとい、最年少の二枚目　窓輝さんではありま 「あの、ここは女性用の楽屋だそうなんですけど・・・」と、控えめに私。 「あ、そうですか。すみません。私は構わないんですけどね」と笑いながら、でも丁 寧にかばんとともに退散していかれる窓輝さん。 「私も構わないんですけれど。窓輝さんなら」とも言えず、去り行く若人の背中を指 をくわえて見送る私。 　時間が迫るにつれて、楽屋の人口が増えてきます。そしてそれ以上に増えてくるの は、師匠へのご挨拶のお客様たち。その合間にも師匠は当日キャンセル席や立見客の 件で窓門会の和田さんと打ち合わせ。今日の主役なのに、師匠、お忙しいんですねぇ。 出演者兼総合プロデューサーって感じ。歌舞伎の役者さんみたいに”控え室で精神統 一して役作りする”ってわけにはいかないんだぁ。大変だ、こりゃ。 　おや、師匠、今度は女部屋へいらっしゃいましたよ。 「仮名や、リハーサルで気づいたけど、アクセントが違う箇所があったよ」と。 　私の「雷様」と読むアクセントが違うとのこと。三省堂国語辞書で言う”３型”で 読んだ私のアクセントは”６型”でなければならないとのご指摘。え？　そんな説明 じゃわからない？　では、あなた様には後日、個別にご説明させていただきます。 　でも師匠、お忙しい最中、素人の朗読のたった一箇所のアクセントの違いを指摘す るためにわざわざ時間を割かれるとは、やっぱり噺のプロなんですねぇ。噺家さんが 弟子入りしてアクセントを逐一直されるという話をよく聞きますが、こういうことな んでしょうか。不肖の弟子　まどべ、弟子冥利に尽きるご指導に師匠の愛を感じまし た。（ちゃうちゃう！）　ありがとうございました。 　客席の開場時刻を早め、定刻には幕が上がります。落語っ子連の朗読は私自信が緊 張して何が起こっているのかわからないままあっと言う間に終わり、”ギャラの代わ り”といただいた、ギャラよりよっぽど高価で貴重な芸名の表札を賞玩する暇（いと ま）もなく、プログラムは圓窓師匠の落語へと移っていきます。 　私、本日の出演が決まって以来、固く心に決めていたことがございます。それは、 今日のすべての高座を高座の袖から聴くということ。一生に一度あるかないかという 貴重な機会です。圓窓師匠からのお許しもいただいてあります。女部屋に近い上手の 袖にて、椅子に掛けて拝聴いたします。御簾の間からも案外、高座がよく見えるもん でございますね。 　噺の一席目は圓窓師匠。その『半分垢』に続き、窓輝さんの『子褒め』、窓樹さん の『万病円』、窓里師匠の『町内の若い衆』と続きます。 　窓里師匠って、私、生（なま）は初めてですけれど、なんといいお声。市議会議員 の要職ばかりでなく落語も真摯に取り組んでいらっしゃることが存分に伺える一席。 　続いて吉窓師匠の『普段の袴』。実は私は吉窓師匠のほのぼのとした雰囲気が以前 から大好き。吉窓師匠の笑顔を間近で見られて嬉しいなぁ。でも、圓窓師匠が妬くか ら、そんなことは大きな声では言えません。（おいおいっ！） 　と、ここで幕が下ります。中入りかな？　では、楽屋検分に・・・　ん？　様子が おかしい。 「え〜っ、中入りとお間違えのお客さんが席を立たれてるようですが、気にせず進め ましょうかね」という窓樹さんの声が高座から。 　えっ！！！　うそっ！！！　中入りは座談の後なの？　いや〜〜〜ん。 「まどべ、どこにいたんだい？」 　うげっ、ちょろちょろしてたら圓窓師匠に声かけられちゃった。 「上手の袖に、、、」 「こっちの方がいろんな動きが見えるから、こっちでお聞き。」と下手の袖へ私を導 いていかれる師匠。 　し、師匠。あたしゃ、人様がいないほうが落ち着いて聴けるんですけれど・・・と も言えず、師匠が置いてくださった椅子に硬くなって座る私。確かに、みなさんの動 きがよく見える特等席ではございます。というか、まさに皆様の動きの一画に私の座 る椅子が置かれちゃった。こうなっては、国立演芸場の施設の一部、”壁の花”と化 して観察するよりほかいたし方ございません。下座にてお働きの皆様方、お邪魔でし たら、大変に申し訳ございませんです。 　さて、高座での楽しい座談『面と向かって言えないこと』も終わり、本当の中入り。 　今度こそ楽屋で観察と思いきや、楽屋は黒紋付の数名に占拠されている。どっかで 見たようなおっさんたちだよ。こんな人が来るとは知らなかったよぉ。楽屋に入るの、 やめておこうっと。 　通路をちょろちょろしていると、無弦さんが私を呼び止める。無弦さんったら、普 段は駄洒落のお兄さんなのにギターを持った雰囲気はとっても素敵。 「仮名さん、ギターの音を出したいんだけど、女性の楽屋をちょっとお借りしていい ですか？　怪しまれるといけないから、お断りしておかないと」と。ご心配には及び ません。どんな御用だろうが、『無弦さんが一人で女部屋に入ってごそごそやってい た』という事実に変わりはございません。この厳然たる事実だけは私の全身全霊を込 めて記録させていただきますとも。 　さて、後半のプログラムが始まる前に下座に陣取ろうと思ったら、さっきの黒紋付 のおっちゃんたちが三人、既に高座に並んで座っていらっしゃいます。この国立演芸 場の企画「大演芸まつり」のための各協会幹部の口上なのですと。 　そんなこんなで、本当の食いつきは無弦さんことギタリスト榎本と圓窓師匠のジョ イント。お二人の息もぴったりなれど、ギターの音色のやさしくてあたたかいことに 心が安らぎます。ギターに聞きほれて、師匠の噺はほとんど覚えておりません。（こ らっ！） 　ジョイントが終わって幕が閉まると、スタッフがササッと高座のリメイク。楽屋や 高座を行き来するのは、窓樹さん。全体を見渡して細かなフォローをする窓樹さんの 真剣なお顔と凛とした立ち姿が、すごくかっこいい。こうして裏で見ていると、前座 さんだけでなく一門の方々までが寸分も休まずよく動かれます。落語会って噺家さん が一人ずつ交互に出るだけみたいだけど、演劇の舞台みたいなものなんですね。いい 企画も必要、噺家さん一人一人の力量も必要。でも、みんなの気持ちを一つに合わせ て初めてできるものみたい。目から鱗の落ちる思いでございます。 　続くは小金馬師匠の『厩火事』。いつの間にやら窓里師匠が私の横の椅子に座って この高座をじっと聴いていらっしゃいます。私、ここにいていいのかな。いえ、ここ では私は壁の花。石っころと同じでございますから、お許しくださいませ。 　小金馬師匠が終わった頃、下座で高座の準備などをしていた前座さんが一人消え、 二人目も消えようとする。なんで？　まだ高座続いてるじゃん。さっきのお偉いさん をお送りするためじゃないよね？　高座よりそっちの方が大事なの？　ねえ、どうし て？・・・　そんな壁の花の動揺をよそに、間髪を入れず太鼓のバチを取り前座さん を楽屋へ向かわせる窓里師匠。一朝師匠の出囃子は何事もなかったかのように窓里師 匠の太鼓に乗って流れていきます。か、か、かっこよすぎるよぉ、窓里師匠。ブチブ チ文句を言おうとした自分が情けない。みんなで作る。できる人がやる。フォローし 合う。そしてはじめて完成する会。これだぜ！！！ 　一朝師匠が上がられると同時に、窓里師匠はお囃子のお姉さんの横に座り身を乗り 出すように聞き入り始める。はは〜ん、高座を袖で聴いて勉強するってこういうこと なんだなぁ。 　ん？　横でチラチラするのは・・・？　きゃーっ！！　窓輝さんが諸肌見せてお着 替えをしているぅ。私が女部屋を追い出したばかりにこんなところでお着替えをさせ てしまったんですね。窓輝さん、ごめんなさい。見てはいけないものを見てしまった と心で両目を覆いつつも指の隙間からの眺めに胸がときめくのは、いたしかたござい ません。 　壁の花おばさんが目の保養をしている間に、『武助馬』の目の保養の場面も終わっ ていきます。お見事な語り口の一朝師匠の一席でございました。 　時間は終了予定と言われる４時にならんばかり。いつの間にやら下手の袖に集まっ てきたのは窓門のみなさん。中心にはトリの圓窓師匠の立ち姿。貫禄充分の黒い羽織 姿は、いつにもましてかっこいい。私なぞにも気軽に話かけてくださるのでつい忘れ てしまうけれど、圓窓師匠ってお偉いさんだったんだぁ。これまでの数々の御無礼、 平にお許しくださいませ。へへーーーっ。（平伏の図） 　出囃子とともに高座へ上がっていかれる圓窓師匠を袖に立って送り出す一門のみな さん。「ご苦労様！」「ご苦労様！」「ご苦労様！」と、ドスのきいた声。声。声。 ひえーーーーっ！　「組」のおっさんの集まりかと思っちゃうよぉ。怖いぃ！　圓窓 師匠は、まさに組の親分。怖いよぉ。しくしく。いいえ、私は壁の花。石っころと同 じでございます。しくしくしく。 『五百羅漢』が始まると、お囃子のお姉さんの横に今度は吉窓師匠が陣取られ、御簾 の隙間から食い入るように高座を見つめていらっしゃるご様子。あぁ、これこそが噺 家の・・・。この一席がどんなに素晴らしかったかは既に大勢の証言もあり、楽屋の 方から申し上げるまでもございますまい。高座の袖からは、目頭を押さえるお客様の 姿がチラホラ見えていたようでございます。 　噺の下げを聞き届け、私は誰も居ない楽屋へ。かわいい小学生たちからの花束贈呈 も楽屋のモニターで拝見いたしました。 　最後の幕も下り、みなさん帰ってこられて楽屋はまた賑わいを見せます。窓輝さん のお着替えと違って圓窓師匠のそれはあまり見たくありませんが（おいおいっ！）、 楽屋はやはり覗かせていただかねばなりません。立ったまま帯をといていかれる圓窓 師匠の横には、窓里師匠、吉窓師匠、窓樹さんの順で、やはり立ったまま圓窓師匠の 帯などの始末をされるご様子。一門の師匠が立っていらっしゃる時は、お弟子さんも 立っているものなのかしら？　そうだとすれば、想像以上にシビアな関係。でも、近 年かなり短髪な圓窓師匠に並んでこのお三方のヘアスタイル。”圓窓一門”というよ りも、”圓窓山門”ですな、こりゃ。 　それにしても、楽しい落語会の裏で、出演者全員のかくも細やかで張り詰めた気配 りが展開されていようとは、本日の大きな発見でございました。噺家さんには、座布 団の上で飄々と話をする姿とは全然違う厳しい世界があったのですね。今日の会、そ れぞれの高座も素晴らしゅうございました。でも、それ以上に高座裏の皆様の素晴ら しいご活躍、しっかと拝見いたしました。なんだか、ますます窓門を応援したくなり ました。こんな素晴らしい師匠や兄さん方の下に入門できたことを、心から誇りに思 えた一日でございました。（違うってば！！）

［半分垢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／半分垢 ［子褒め］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／子褒め ［万病円］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／万病円 ［町内の若い衆］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／町内の若い衆 ［普段の袴］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／普段の袴 ［厩火事］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／厩火事 ［武助馬］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／武助馬 ［五百羅漢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／五百羅漢 2001･7･5　UP

客 席 か ら じ っ く り と

Ｎｏ１　おもしろかった　すもうのはなし

文　さちか（小学３年）

一回目のらくごが終わったあと、ざぶとんをうらにして、また２回目のらくごが終 わったら、またもどしてて、きゅうけいが終わったあと、ざぶとんが青にかわってい ました。なんで？　らくごの１番さいしょのおすもうさんのはなしはわかったけど、 あとのらくごは、ぜんぜんわからなかったです。 　こんどおしえてください。 　１番おもしろかった落語は、お相撲さんが、でてくるお話（半分垢）です。

お答えします　さちかちゃんへ　　圓 窓 　人のすわったふとんは　なまあったかくなっていて、つぎにすわるひとに はきもちのわるいものです。そこで、うらにしてあったかくないところを上 にするのです。 　おきゃくさんのきぶんをかえるために、ざぶとんもかえたのです。 　おすもうさんのはなしはわかりやすかったでしょう。ほかのはなしは、む ずかしいことばがおおいから、さちかちゃんがもうすこしおおきくなったら、 わかるでしょう、きっと。 　また、きいてね。

Ｎｏ２　とても大きなＡＲＴを感じました

文　ＢＡＭＢＩ（高校２年）

残念ながら名古屋には行けなかったものの、円窓師匠の落語が聴けて感激でした。 　時たまテレビで見る落語とは、やはり迫力が違い、しっかり笑わせていただきまし た！ 　師匠の本を読んで知っていたお噺が多かったのですが、やはり読むのと聴くのとで は感動も違うものですね。 　師匠の顔が、演じる役によってぱっと変わりました。 　師匠の落語を思い出そうとすると、「あれは本当に師匠だったんだろうか…」と想 ってしまいます。 　何故かというと、お噺一つで何人もの顔が在り、師匠の顔が思い出せないぐらいな んです！ 　最後の［五百羅漢］は、笑う、というより、感涙するお噺でした。 　事実、あたしは師匠のお噺に涙を必死にこらえていました。 　ちょっとかっこわるいですか（笑） 　最近、ARTについて考えることが多くなりました。 　ＡＲＴを創作してみたいと願っていますし、其れを目指して居るからです。 　そして今回の落語を聴いて、とても大きなARTを感じました。 　お芝居のセット無しで、映画のような世界が作れるのだと想いました。 　そしてあたしも、読み手があたしの描く世界を文字を通して見て、入りこめるよう な作品を書きたいと想いました。 　また師匠の落語を聴きたいと想います。 　ありがとうございました。

Ｎｏ３　落語は 人間の人柄行き方を演じる芸能

文　筑波大学附属小学校教員・青木伸生

５月６日の落語会では、子ども達をお引き立ていただき、ありがとうございました。 　そして何より、落語会の成功、おめでとうございます。 　圓窓師匠が、今までいろいろな「縁」を大切にしてこられた方なのだなということ が、よくわかりました。 　このことは、チケットを申し込んだ人たち一人ひとりに、直筆のお手紙をくださっ たことでもよく分かりました。 　手紙を受け取った、クラスの子ども達や、その保護者がとても感激していました。 　観客も出演者も、みんな圓窓師匠を慕って集まってきた仲間だなあ（もちろん師弟 関係もありますが）と肌で感じるような温かい空気が、会場を包んでいたと思いまし た。 　そして「五百羅漢」の落語は、これまた圓窓師匠らしい、人間味溢れる、情緒あふ れる噺でした。落語って、ただ面白いだけの噺ではなくて、そこに登場する人間の人 柄や生き方そのものを演じる芸能なあだなあと、つくづく感じました。 　教科書には４年生の下巻だけに掲載されていますが、落語は学年を越えて、もっと 多くの子ども達に紹介し、一緒に学んでいきたいなあとの意を強くもちました。 　本当にありがとうございました。 　言葉では尽くせませんが、お礼とお祝いの気持ちを送ります。

Ｎｏ４　圓窓師匠の落語は とってもかっこよかった

文　筑波大学附属小学校４部６年・古谷亜紗子

初めての国立演芸場は教室でやった時とは雰囲気が違い、舞台の装置とか幕とかか っこよく、そこで聞く圓窓師匠の落語はとてもかっこよかったです。 　そばの大人の人たちが「むずかしいでしょ？」といいましたが、私ははなしの内容 が目に浮かび、とても面白かったです 　また筑波小にきてください

Ｎｏ５　圓窓師匠は 人との縁を大切にしている

文　筑波大学附属小学校４部６年・高橋令奈

こんにちは!!! 　私は、筑波大学付属小の、青木学級の、落語の「ぞろぞろ」で、おばあさん役をや った、高橋令奈です。 　この間の、落語は、楽しかったです。 　思いっきり笑ってスッキリしました。 （＞〜＜）あはははははははははははははははははは。 　あと、サインと、写真、ありがとうございました。 　ついでに、青木先生の手紙に、 「円窓師匠は人との縁を大切にしている、心の温かい方だとつくづく思いました」 　と、書いてありました。 　私も、そう思います。 　また、遊びに来てくださいね♪ 　では・・・・・・・・・・・。 　　　　　　　　　　ヘ＿＿ヘ 　　　　　　　　　（=＞・＜=） 　　　　　　　　　　　 ∞

Ｎｏ６　これからの世の中を決めるのは　今の子どもたち

文　足立区立扇小学校　鷲見二朗

圓窓先生、五百噺達成記念、おめでとうございます。 　生の声を聞かせていただいて、先生の偉大さを改めて感じました。 　最後の高座のあとに、筑波大付属小の子どもたちが花束を差し上げていましたね。 　私も、あんな子どもたちをこれからも育てて行けたらと思います。 　これからの世の中を決めるのは、今の子どもたちですからね。 　機会があれば、これからも何かの形で、先生を応援できたらと思います。 　本当にお疲れさまでした。

Ｎｏ７　期待を越えた心温まる内容の［五百羅漢］

文　江崎和博

”五百席達成記念落語会”を鑑賞させていただきました。 　素晴らしい高座をありがとうございます。 　五百席がもうすぐ達成されるという頃、最後は何になるか……と想像をめぐらせま した。題名からは［五百羅漢］がふさわしいが、私も円生全集を読んでみて内容から は最後の演目に合わないと思っていまいした。 　しかし、そんな古典にも圓窓師匠の手によって色々改訂が加えられ、また、題名か ら仏笑落語になるのではないか……という期待を持っておりました。期待通りどころ か、そうした事前に考えていたものを越えた、心温まる内容で、満足して帰りました。 　子供の頃から落語は好きでしたが、学生時代に円生を聞き、ただ笑うだけのものか ら脱皮したように思います。円生はどこかにほろっとさせる部分が入っていました。 その円生はもっと聞きたいと思うようになった頃に亡くなりましたので、レコードや ＣＤでしか接していない仲です。 　生意気なことを書くようですが、円生の高座はほろっとさせるもので私の心をつか んだのであり、円窓師匠の高座は心温まるものを入れていることが後味も良くし、忘 れられないものにしているのが魅力と感じます。 　田舎住まいでなかなか出て行けませんが、ぜひまた機会を見つけて出掛けたいと思 います。 　Ｐ．Ｓ 　落語好きが高じて、10年掛かりで題名一覧を作り、その後それぞれの粗筋をワープ ロ化しています。 「あ」だけで６０余、「お」までで２７０程の粗筋を打ちました。その後はぼちぼち 打っていくつもりですが、数はもう混乱しています。５年前には小咄も入れて数えて いたので約５０００あったのですが…… 　マニアックに色々調べているつもりなのですが、今回の会での疑問がありまして、 よろしければご助言いただければと思います。 　［町内の若い衆］についての疑問なのです。 　亭主にとって、あの女房の顔を思い出しただけで「嫌だ嫌だ」というようなすごい 女、ほとんどの演者がそう演じていますが、本当にあの女はそこまで嫌なすごい女で なければならないのですか。 　これは本当に素人考えの演出ですが、あの女房は落語によく出る、少しがさつでポ ンポンものを言う女房だと思っていたのです。亭主は品があって相手を立てる兄貴分 の女房を見て、「それに比べて、うちの女房は嫌だね」という調子で家に戻り、その 話をするが、女房にポンポン言われてへこまされ、友達に頼む。落ちは馬場雅夫が「 はづみでうっかり口をすべらせる」と書いていますが、その通りと思います。 　少しばかり「そうかも知れない」と思わせるだけの魅力を持っている方が落ちが面 白いと思うのですが……。 「建て増しをしてごらんよ」くらいは言うが、「雲助のような格好で煙草をふかして いる」姿ではその魅力が消えてしまうような気がするのです。噺家が説明する姿を想 像して、あれでは町内の若い衆は間違っても手を出さないだろうし、亭主もつくづく 嫌がっている女房がなぜ妊娠しているのか、どうも納得が行かずにいました。 　窓里さんのマクラで、夜だけは仲良くなるのだろうと、今回初めて説明いただきま したが、まだどうもひっかかるものがあります。余計なことを考えずに聞くのが良い のかも知れませんが。 　もう一つ。窓輝さんの［子褒め］の落ちについてお教え下さい。 　普通は「お幾つで」「一つだよ」「一つとはお若く見える。どう見てもタダだ」で すよね。上方では米朝師が「今朝、生まれたばかりや」「それはお若い。どう見ても あさってや」と演っています。 　窓輝さんの和歌で落とすのは初めて聞きました。これ、師匠の、あるいは誰かの創 作なのでしょうか。「竹の子は生まれながらに……」よろしければその和歌もお教え いただけないでしょうか。

お答えします　［町内の若い衆］について　　圓 窓 　この噺は人情噺ではなく、滑稽噺なので、誇張、漫画化させているのです。 　もっとも、演者によって、その「化」の個人差はありますがね。それを聞 き手は好き、嫌いに感じるのでしょう。 　人情噺だったら、人物設定をしっかりと確定させなければ、というもある でしょうが、滑稽噺ですと、その点も許されて大らかになるようです。 　女房をつくづく嫌がるったって、真剣に離婚を考えているわけではないの ですから、口と心とは違うという可愛らしさを感じとってやってくださいな。 お答えします　［子褒め］について　　圓 窓 　江戸時代の小咄にあります。 　あたしは柳枝から教わりました。 　和歌というより狂歌でしょう。 「竹の子は生まれながらに重ね着て　育つにつけて裸にぞなる」です。

Ｎｏ８　同期生は みな定年なり

文　丸田研一（文京高校の同期）

昨日（６日）は国立劇場での公演、お疲れさまでした。 　連休最後の日曜日の午後を、たいへん楽しく過ごさせていただき、感謝申し上げま す。 　圓窓師匠はいつも様々なことにチャレンジする精神をお持ちで、感心いたしており ます。 　ギターと落語のジョイントというのもなかなか興味深い試みでした。 　鑑賞させていただいたのは、私のほか、永井、根岸、村、飯塚（以上Ｃ組）、都築 （Ｄ？）、星野（Ｆ？）、佐々木（小石川高校、バイク下取り）の各氏でした。 　飯塚、星野を除くわれわれの仲間は、終演後、ホテルニューオータニ１７階の展望 　レストランで中華バイキング（食べ放題、飲み放題、ただし２時間の制限あり、＠ ８０００円）を楽しんで帰りました。 　ところで、翌日（７日）、会社があるのは俺だけで、みなさん自宅で定年生活。帰 り際にそれに気づき、ぼやいたら、他の連中は、かんらからからと気持ちよさそうに 笑うのでした。

Ｎｏ９　友人にも会えた 圓窓五百噺の会

文　丸山宏一（千川中学校同期）

”円窓五百噺”盛大に無事打ち上げになって、おめでとうございます。 　当日、チケットを頂戴いたし、感謝しています。無理をして回していただいたもの と思っております。お蔭様で楽しいひとときを過ごすことができました。 　また、当日は久しぶりに小・中学校時代の友人にも会えて、よかったと思っていま す。 　噺家稼業も大変でしょうが、日本の文化を継承していくためにも親子でがんばって 欲しく思います。 　取り急ぎ、御礼申し上げます。

Ｎｏ１０　達成も還暦も　おめでとう

文　永田彰久

昨日の高座でゆっくり見せて頂きました。 　流石に師匠が舞台に出てくるだけで、会場の空気が変わるのを感じました。 　通常の寄席とは違った雰囲気で、皆が師匠の話を聞きに来ているのが良く伝わって きました。 　また落語とギター、あの情景がとても印象的でした。 　五百噺の達成も区切りの良い還暦のときに出来たこと、おめでとう御座います。 　我々サラリーマンは引退ですが……。 　此れからも噺家の上を目指して頑張って下さい。 　応援してます。

Ｎｏ１１　涙も迷子も 内緒にして

文　ほりき

［半分垢］から［五百羅漢］まで気を抜くことができず、自分の鑑賞体力のなさを痛 感しました。 ［五百羅漢］は名古屋の圓窓五百噺を聴く会で先行して聴かれた皆さんの前評判にた がわず素晴らしい人情噺で、堪能させて戴きました。思わず途中で目頭が熱くなって しまったことは内緒です。 　ぜひ次世代に継承して欲しいと思います。 　落語会終了後は、宴会にも参加できました。窓樹さんや窓輝さんの店員を上回る活 躍もあって、大変楽しい時間を過ごすことができました。 　また、圓窓師匠のリードで宴会参加者の紹介時に、一朝師匠の挨拶に返しを入れて しまうさりあさんなど、浮世床ＭＬの参加メンバーのすごさを改めて実感することも できました。 　宴会終了後、未練がましくウロウロしていた結果、圓窓師匠と和田さん、無弦さん、 仮名さんとの二次会にも参加することができました。 　ここでも腹蔵のない話をたくさん聴くことができ、その上、圓窓師匠にご馳走まで して頂きました。 　終了後、「一人で帰れます」と大見得を切って地下鉄に乗ったのに、都庁前で降り た後で迷子になりかけたのも内緒です。 　落語会のレポートでなく、宴会のレポートになってしまいましたが、この辺で。

Ｎｏ１２　インターネット"ＭＬ浮世床"のメンバーに会えた

文　鶴久

五百噺達成記念落語会に参加させていただき、ありがとうございました。 　約１年ぶりで生で師匠の噺を聞かせていただきまして感激です。 　３００席の国立劇場演芸場も満席でした。（国立が満員になる興行って、他にある のかなー？） 　また、終了後には「打ち上げ（交流会）」に一緒に行った妻ともども参加させてい ただき、楽しい時を過ごさせていただき、ありがとうございました。 　無弦さん、あきらさん、堀木さん、さりあさん、日比野さんと同じテーブルでご一 緒させていただきましたが、初めてお会いした感じがせず、楽しくお話しでき、あっ という間の2時間でした。

Ｎｏ１３　肥後どこさ　熊本さ

文　チャッキー

皆さん、お疲れさまでした。 　師匠、熱演ありがとうございました。 　いまだ感激でボーっとしています。 　かなさん、はなさんともお話ししたかったけど、時間が無くて残念でした。 　急いで肥後熊本に帰りました。 　また今度。 　今、もてさんから頂いた名古屋での圓窓五百噺を聴く会の最終回のビデオを観てい ます。 　その会の［五百羅漢］では虹のシーンがなかったんですね。 　他にも、八百屋のおかみさんが、女の子から話しを聞こうと苦心するところや父親 に似た羅漢さんを探すところなどなかった。 　演じるごとに工夫を重ねているんだなあと、また感激。 　さりあさんは虹のシーンを”レンブラント”の光と影の・・・と表現。 　私は”いわさきちひろ”の絵のような噺と書きましょうか。

Ｎｏ１４　このＨＰ｢だくだく｣だけの話だけど

文　あきら

ここだけの話しなんですけど、名古屋の圓窓五百噺を聴く会では虹のシーンがなか った理由ってのは、帰りの新幹線を指定席で予約済みだったからだって知ってました か？ 　あの時、”オフィス樹”の平樹さん達も一緒の新幹線に予約していて、僕の隣でし きりに終演の時間を気にしてました。 　平樹さん達は「会が終わらなくても師匠をおいて先に帰ろう」とまで言ってたんで すけど、実は師匠も帰りの新幹線を気にしていたということです。(笑) 　あの状況下で、そこまで冷静だった師匠っていったい、、、、って感じです。 　僕がバラしたってのは、師匠には内緒にしておいてくださいね。(バコリ!)

Ｎｏ１５　五百噺の偉大さ　圓窓の偉大さを知った

文　まっこ

本当にすばらしい時間をありがとうございました。 　終演後にご挨拶を、と思ったのですが、沢山のお客様に囲まれていらしたので、失 礼してしまいました。申し訳ありません。 　本当にとてもとても、あたたかい、おもしろい中身のぐっとつまった時間だったこ とでしょう！ 　改めて五百噺の偉大さを知り、改めて師匠の偉大さを知り、こんな方を、気安く「 師匠！」と呼びかけたり、新年会にいらしていただいて、あんな狭いところに坐って 頂いたりしてよかったんだろうか…、としばらく考えてしまいました。 　亭主の剛は残念なことに当日、新潟から帰京できず、唯一の劇団員のまゆみちゃん と一緒にうかがいました。 　帰京した剛が「どうだった？」というので、たっぷりと「すっごく、すっごくい〜 〜〜い会だったよ」と云ってやりました。 「そっか〜〜〜〜〜…、師匠によろしく伝えてね…」と残念そうにしていました。 　師匠のエネルギーに、パワーに、魅力にとりつかれた人達が沢山沢山、うずまいて、 すばらしい力を生み出している…、そんなものが見えました。 　今年の連休は、なんだかつまらなかったのですが、この落語会で、最後の日にお釣 りがくるくらいの素晴らしい連休になりました。 　師匠、これからも仲良くして下さいね。そして、沢山の人を巻き込んで下さい。 　６月の一人芝居のご案内も近々させて頂きます。是非いらして下さい！

Ｎｏ１６　宴会がまったく楽でした

文　無弦

大宴会・・・あそこにいい場所があって、宴会の幹事として嬉しかったですよーー ー。 　でも今回、宴席が始まってからは窓樹さん窓輝さんらの見事な働きと師匠の懐の深 い采配で全く楽な幹事でありました。 　有難うございました。 　ニ次会は堀木さんのご報告の通り。大変ご機嫌な師匠と仮名さんのやりとり、窓門 会事務局の和田さんの深い思い入れやら、堀木さんの観察眼に裏付けられた言葉など、 とても面白うございました。 　仮名さんの着物姿がしとやかで、とても優しそうに見えました。

［半分垢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／半分垢 　　　［子褒め］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／子褒め ［町内の若い衆］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／町内の若い衆 　［ぞろぞろ］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／ぞろぞろ ［五百羅漢］の梗概は、圓窓五百噺付録袋／圓窓五百噺ダイジェスト／五百羅漢 2001･7･5　UP