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単発の落語会

五百席達成記念落語会/萬窓 真打昇進披露/ 落語とオペラの怪しい関係/第二回 蕎麦喰い地蔵講

" 落語とオペラの 怪しい関係 " 

平成13年10月21日(日) 午後4時 開演
会場 ハウス・エプタ地下1階 エプタザール(小田急線・狛江駅北口 徒歩7分)
狛江市和泉本町1・7・16  T 3488・5311
前会費:3000円  当日会費:3500円
プ ロ グ ラ ム
落語 粗忽の釘  三遊亭窓輝
落語 唐茄子屋  三遊亭圓窓

―― 中 入 り ――
師弟対談「オペラとは何ですか? 落語とはなんですか?」
師匠"歌手 岸政美" XX  弟子"噺家 圓窓"
創作舞台落語 [ オ ペ ラ 質 屋 ]
作・演出:三遊亭圓窓  指導:岸政美  ピアノ伴奏:筧あづさ
出演:〔一文オペラ〕のメンバー総出演
秋山晃衛(コブシンベルグ)窓の明かり  大鐘賢(ナミダティーノ)泣かないお前
菊地陞(ハブトッド)君に告げて      中山泰次(コメプリマ)サンタルチア
堀内千代子(ポーズトリエシア)魂とハート  正井和男(リキミタント)忘れな草
安松荘介(プレストマッツォ)マンマ 米丸丈郎(キザーロ)遥かなるサンタルチア
阿部武彦(マノビグスト)道化師・衣装をつけろ  三遊亭圓窓(ナットーニ)初恋
終演後、ワインを飲みながら、出演者との歓談を楽しんでください




〔一文オペラ〕 とは?
岸政美氏の指導の許に ヒノキ新薬鰍フ阿部社長をリーダーとして
真剣にオペラのレッスンを受けようというサークル




必死の潜入レポ

名作落語[寝床]の渦中に飛び込む!! 文責  あきら


 仮名さんに送っていただいた”落語とオペラ”の会、いよいよ、次の日曜日です。
 恐ろしいことになってしまいました。
 メールの噂では、「圓窓師匠もオペラのノドを披露されるという恐ろしい(ちゃう
ちゃう)めったに無い機会」「義太熱ならぬオペラ熱という症状が発症するか否か」
「つまり、落語[寝床]に出てくる病気は実在するのか」「翌日のあきらさんの体調
に注目しています」(笑)となっているようだ。
”落語とオペラの怪しい関係”に詳細が載っていますが、やっぱり名作落語の[寝床]
的な要素が強く、「終演後、ワインを飲みながら、出演者との歓談を楽しんでくださ
い」だそうです。
 では、[寝床]の渦中に飛び込んできま〜〜す。
 オペラにあたって、僕が居なくなった後も、このMLは存在する筈ですので、その
時は皆さんでよろしくお願いいたします。
 でも、僕を一人っきりで逝かせないでぇ。
 誰か一緒に廃人になりましょうよぉ。


 恐る恐る……
 狛江のハウス・エプタの地下1階エプタザールで行われた”落語とオペラの怪しい
関係”に行って来ました。
 今回、師匠がオペラを歌うと言う事で、本当は命が惜しかったんですが、ここで命
をかけてでも行かねば、日頃、師匠にお世話になっている身としては申し訳ないと思
い、メーリングリスト浮世床を代表して行きました。
                    (だって、誰も来てくれないんだもの)

 最初は、開口一番、窓輝君。
 色々生活の事だとか、師匠のことをネタに振りながら一所懸命マクラやってます。
 噺の方は[粗忽の釘]でした。
 最初の頃から定期的に観察している者としては、上手になってきているのがわかる
んですが、こないだ最後に聴いた噺よりダレていたので、この件はいずれまた、、。


 お次は師匠の[唐茄子屋]
 マクラは最近、お気に入りの「大」の付く物シリーズ。
 取り上げた「大相撲」では、客席の元首相の羽田さんを前に、小泉首相の大相撲で
のパフォーマンスを笑いにしてました。
 やっぱ、あれは笑っとけってもんでしょう。落語ファンとしては。
 でも「大リーグ」までは行ってほしかったなぁ。この時期。


[唐茄子屋]はサゲまで行かず、残り2個になった唐茄子を吉原付近まで売りに行く
ところで切り。
 ここで、「そういえば、今日は落語がメインでなかった」って事に気がつきました。
(そして、また恐怖心が湧き上がる)
 終わってから、元首相を前で教育の大切を語り始めたので、「オヤ?」と思ったら、
教科書も入っている圓窓グッズの宣伝でした。(爆笑)


 コンサートの休憩というよりは、中入りになってくい付きは、師匠と師匠のオペラ
の師匠の岸政美さんの対談。
 ドレミがイタリア語だってこととか、日本人はイタリアの音楽に入り込みやすいん
だとか、そんな話でした。
 もうちょっと突っ込んだお話が聞きたかったです。


 さて、その後は再び師匠が高座にあがり、師匠が質屋の旦那、オペラの会(一文オ
ペラ)の勧進元の阿部さんが番頭という設定で始まりました。
 まったくオペラ100%では無かったんですね。あくまで噺の一部ってことで、少
し安心できる設定です。(ホッ)


[オペラ質屋]とは……?
 そもそも源泉は江戸小咄の[音曲質屋]。平成12年に国立演芸場で舞台落語[音
曲質屋]として公演している。
 今回、それを脚色して[オペラ質屋]。
 お長屋の衆が歌を質草にお金を借りに来るという。
 そこで、一文オペラのメンバーが登場して、一曲ずつ披露が始まります。
 みなさん、緊張されてましたが、なかなか楽しんでいるご様子でした。
 歌の合間に番頭さんもソロバンをパチパチ値踏みしています。
 歌い終わると、みなさんは急に幸せな顔になるところが微笑ましいです。


 お長屋の衆が終わると、番頭も給金の前借に歌を質草にしたいということで、一文
オペラの勧進元の阿部さんが歌います。
 やっぱり勧進元だけあってお上手ですし、場慣れしてますね。
 芸人さんなんでしょうか。
                      (、、、って社長さんですってば)


旦那「でも、15両ってのは前借賃としては多くないかい」
番頭「ローマに行ってプロの技を盗んだ歌です」
旦那「じゃぁ、なおさら貸せない。うちじゃ盗品は扱わない」(意訳)
  ってオチまでついて、落語になっていました。


 このまま終わるのかなぁと思ったら、師匠が、歌うような素振り、、。
 いよいよ来てしまいました。


 ついに始まった師匠の歌!
 やっぱりです。
 声がでかい。
 他の方は声量が今ひとつだったので、微笑ましく聴いていたのですが、師匠のは突
き刺さってきます。
 でも、鳥肌が立つほどでもなく、楽しんで聴けました。(命拾い)
 意外に音程も安定していましたし、小節毎に間延びすることもなく(カラオケでミ
サっちゃん(渡辺美里)を歌うときは間延びしてる)努力の跡が伺えました。
 でも、やっぱり日本語よりも原語の方がいいですね。
 日本語で歌うと野暮な都々逸に聞こえます。
               (歌う人が違うと、違うかもしれませんが(笑))
 それから、師匠からみなさんに記念の”表札”をお配りして、チャンチャン、、、
だったら、もうちょっと、「師匠のどこそこがどうだった」とか、「阿部さんはこん
なだった」とか書くんですが、、、、、


 さすが、プロのピアノと歌!!
 この後、ピアノの筧さんの演奏があって、すっかりちゃんとした(みなさんすみま
せん)演奏会になりました。
 そんなわけで、そっちの方はすっかり飛びました。
 上手なピアノって、心が洗われますね。ほんと。


 そしてら、最後に師匠の師匠である岸政美さんがお歌いになりました。
 これだもの!
 全然違うもの!!
 師匠の声の大きさなんて、比べ物にならないもの!!!
 ダンプカーとF1くらい違います!!!!
 声の響き方も頭蓋骨全体で共鳴している感じです。
 声が頭全体から出ている風です。
 それがホール全体に共鳴して脳内物質が出まくってしまいます。
 やっぱり、テレビでみたりするオペラの歌い方なんですよねぇ。
 やっぱり生徒さんと違って、たっくさんテクニックも入っています。
 僕、高校の時、オーソレミーヨを原語で習ったんですけど、比じゃないですね。
                            (あたりまえです)
 生で聴くと、こんなに迫力があるものなんですねぇ。
 細いお体で歌っているのに、テレビでみる太ったイタリアンなおじさん(有名なんだ
と思うが、名前を知らない)に見えてきます。
 オペラっていうか、イタリア音楽いいですねぇ。
 大声で歌うの気持ちよさそうです。
 今まで、色々お誘いを受けましたが、オペラだったら始めたいです。
 出演されてた長屋の衆の皆さんくらいまで歌えるようになれば、楽しいんだと思い
ます。何年かかるかわかんないですけど。
 娘にピアノ弾かしてオペラ歌うなんて、考えただけでも楽しそうです。
 でも、時間がないのでやめておきます。
                    (言っておかないと、怖いことになる)

 ここで、暴露話!!!
 勧進元の阿部さんはヒノキ新薬の社長さんでいらっしゃいまして、公演後、この社
長さんのお宅でご馳走になりました。
 入り口にでかい車があって、運転手が寒い中、立って待っているっくらいは、韓国
の会社でもマスターネットでもありましたので、さのみ驚きません。
  (マスターネットはパソコン通信の時代、僕が在職していた会社で、師匠をその
   世界に咥え込んだのであります)
 玄関入って、まず玄関が広い! 拙宅へ帰ってから比べてみたら、うちの居間より
広い!
 だって家そのものが、ばかでかい。
 あっちの通りからこっちの通りまでが、そこんちなんですから。
 そして玄関に、自動演奏ピアノってったって、ヤマハの電気メカ式じゃありません。
 アンティークな、紙に穴をあけたのをセットするタイプです。
 そこから居間に入ったら、また広い。
 でも驚いたのが、入ってすぐ左側に飾られていたイコン(木板に聖画が描かれたも
の)です。
 あたしの通う教会に同じ物の写真があって、ありがたく飾ってあるんですが、本物
がここにあるとは思いませんでした。
 お伺いしたら「イコンにはもっと派手なのがあるんだけど、これは地味でねぇ」と
あまり価値があるような言い方をしないので、周りを見回したら美術品だらけでした。
   (美術品自体に興味があるわけでないので、イコン以外の価値はわからない)


 あと、イスラエルの古い楽器だという弦楽器。
 なんて名前なんだろう、これも、さりげなーーーく飾って有りました。
 個人的にすごく興味がありました。


 目だって飾ってあったのは、メンバーの秋山さんの禁煙の誓いです。
 でも、僕は秋山さんが行きのタクシーの中で吸っていたのを目撃してます。
 かわいそうなので黙っておいてくださいね、師匠。
 、、、、ってな、稲川純二風に驚きながら、圧倒されまくって宴が始まりました。


 あッ! また歌が!!
 たっくさんご招待されて、あっちこっちでワイワイやってたら、歌を歌うって事に
なって、お長屋のメンバーが歌い始めました。
 居間のグランドピアノにあわせて。
 都会の住宅街のど真ん中で、窓開けて歌っちゃうんですから。
 次元が違います。


 はっきり言います。
 お長屋のメンバーは、お酒が入ったほうがお上手です。
 勧進元の阿部社長を別にすると、たぶんリキミタントな正井さんが1番お上手なん
だと思うのですが、ハブトッドの菊地さんは、お酒はいると別人になっていいですね
ぇ。本番でも飲んでやっていただきたかった。
 ポーズトリエシアの堀内さんは、本番であんまり声が出てなかったんですが、打ち
上げのときはリラックスされてました。この方の歌って、蓄音機のSP盤聴いている
ようなお声です。


 ただし、本番のその時間って、師匠のお茶が切れちゃって、師匠の後ろに立ってい
た窓輝君に合図を送ったんだけど気がつかなくって。
 僕は師匠が通院してるって話を聴いているし、今の時期だときっと喉だし、その会
にはマイクがなかったんで、ノドに負担がかかっている様子だし、お茶も蓋付でなく
って湯気が飛んじゃってるし、気が気でなかったんで、歌の方はあんまし聴いてませ
んでした。
 でも、かえってよかったかもしれない。皆さん打ち上げの方が良かったです。


 でも、やっぱりここでもプロはプロ。
 岸政美師匠は、カンツォーネじゃなく、本物のオペラの曲を歌いましたが、やっぱ
りうまい。言葉わかんなくても場面が伝わってくるようです。
 師匠とお話してると生落語を身近で聴いているようで幸せなんですが、本物の歌手
がそばで歌ってくれるってのも幸せですねぇ。
 日本でこんな幸せを体験できる貧乏人が何人いるでしょうか。
 一生に1度でも多いくらいです。


 あと、今回出演されなかったんですが、打ち上げに入らしたプロの女性の方、(ち
なみに岸政美さんは男性)この方もよかったぁ。
 なんか芸人の原点みたいな酒場の歌姫みたいな(ちょっと失礼かもしれない)、そ
んな楽しさでした。


 野暮なものに、引っかかってしまった!!!
 そのあと、淵野辺駅からバイクで帰ったのですが、途中で検問に引っかかりました。
「ほんとのことを言ったら〜あまりに〜もおばかさん」ってのは、人生経験で熟知し
てますので、あくまでも「ちょっとだけ」で通したんですけど、風船チェックと歩行
チェックを受けました。
 歩行チェックはなんとかクリアしたものの、風船は機械ですから念入りにウガイし
て、鼻から思い切って息を吸い込んで、なるべくゲップとまじらないようにやりまし
た。
 0.25でキップと宣言されたんですが、0.1だけでクリアしました。
 最後に、おまわりさんに「最初に話を聞いたときの受け答えが酒飲んだ人間特有だ
ったもので」ってのが、恐ろしかったです。


 野暮はさておいて、とにかく、会がハネてからのワインと、その後、ヒノキ新薬の
社長さんのお宅で飲んだウィスキーがおいしゅうございました。




「師匠の歌がいつ始まるのか」と緊張   文責  仮 名


 詳細なレポート、ありがとうございました。
 師匠の歌がいつ始まるのか、読んでいてこちらまで緊迫しました。(笑)
 でも、最後は由緒正しい音楽できっちり締まったのですね。
 初踊りの後に吉窓師匠の踊りを入れられたあの時と同じ企画の師匠のご配慮でしょ
うか。さすがです。
 あきらさんが本日無事にお元気な様子なのにも安心しました。(笑)
 圓窓師匠も、お疲れ様でした。


 そうそう、
 軽部さんが行かれたとか、行かれなかったとか・・・
 軽部さん、隠れてないでご感想をお願いいたします。(笑)

 あきらさんのレポートによると、圓窓師匠は最近おかげんがよくないのですね。
 今週末は熊本においでの予定なのですが、大丈夫でいらっしゃいましょうか?
 師匠、どうぞお大事になさってくださいませ。
 週末までの仕事は全部休んでくださって構いません。(笑)
 ひっそりされている皆様も、これからの季節、どうぞどうぞご自愛くださいませ。




圓窓師匠の〔初恋〕に不思議な感動!! 文責 軽部京子


 実は、伺ったのは軽部時久ではなく、あたくし(妻の京子)と娘の女2人でした。
 エプタザールは、2〜3年前、フルートの演奏会で行きました。ピアノも並ではな
いし、随分とお洒落なホール!
 お金持ちの道楽なら、センスのいいほうなんだろうなぁ〜と思っていましたが、化
粧品(詳しくは肌粧品)屋の社長さんだったんですね、、、。アキラさんに真似て、
、、順次、、、
 1)窓輝さんを聞いたのは、うちの小さな音楽教室&ムジークホールでやっている
   落語会”圓窓夢時鳩詣り”以来なので、随分と上手になって、ちょっぴり師匠
   に似てきた?な、(姿が、いえいえ話方が、、、)と 思いました。
 2)師匠の体調が悪いとは知らず、おじさんのお茶の飲み方が、、、美味しそうな
   んて感心していました。やっぱり、こういう話いいですね。想像!想像!と洗
   脳されている?おかげで、オセロ?じゃなかった”白と黒の碁石の足袋”に天
   秤棒、長屋、遠眼鏡の先に見える若旦那まで浮かぶようで、「さすが師匠」と
   今更ながらに感心!!!
 3)声楽家の方は、話声まできれいで、分かり易いお話でした。
 4)質屋さんの設定が、面白かったです。皆さん(質ぐさを入れにいらした)何方
   も、その方に一番合っている選曲だと思いました。個性?キラキラ!!!


 師匠の歌われた〔初恋〕は、我が家にとって特別な意味のある曲です。
 というのは、音楽教室&ムジークホールのオープニングコンサートは奥田良三先生
で、その先生の大好きなお歌が、〔初恋〕なのです!
 これを作曲された越谷達之助先生とのジョイントコンサートも、一度でしたが実現
しました。尊敬してやまないお二人です。
 幾度となく奥田先生の〔初恋〕を聴いている私達には、歌われている時の組んだ手
の動き、すこし上を向いたお顔、きれいな口の動き、そしてその歌声までもが、なつ
かしく思い出されました。
 その歌を、今、師匠が、、、、、、不思議な感動でした!!!
 歌は良いですね!
 色々な人間になる事が出来る気がします。
 秋にふさわしく、実りある4時間でした。チョビット、疲れたぁ〜、、、。
 落語も音楽も、やっぱり生に勝るものはないですね!
 演(奏)者と同じ空間を共有できる至福の時です。


 ここで、CMです。
 12月2日(日)、2時〜 菅野博文のチェロリサイタルがあります。
 アマダ、フォーラム246ホール(小田急線、愛甲石田)です。
 ピアノトリオもあります。
 素敵な響きをぜひ、ご一緒に!!!


[寝床]の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/寝床
[寝床]の関連は、窓門会(後援会)/窓門会文庫/噺のような話/寝床
[音曲質屋]の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/音曲質屋
[音曲質屋]の関連は、寄席集め/国立演芸場/舞台落語 第3弾 芸沢山曲手質屋
[粗忽の釘]の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/粗忽の釘
[唐茄子屋]の梗概は、圓窓五百噺付録袋/圓窓五百噺ダイジェスト/唐茄子屋
2002・3・10 UP