圓窓五百噺ダイジェスト(ろ行)

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六尺棒(ろくしゃくぼう)

圓窓五百噺ダイジェスト 25 [六尺棒(ろくしゃくぼう)]

 堅気の商人の若旦那(幸太郎)、夜遊びが激しく、今晩も深夜の帰宅。親父がうる
さいので、こっそり、番頭や小僧を呼んで家に忍び込もうとして、戸を叩く。
 あいにく、親父が起きていて、戸を開けてくれないだけでなく「幸太郎のお友達で
すか? よく訪ねてくださいました。『幸太郎は親類協議の上、勘当しました』と、
幸太郎にそうお伝え願います」などと、よそ事に言って聞かせる言葉の連続で一向に
家に入れてくれない。
 幸太郎は家に入れてもらえそうもないので『この家に火をつけてやる』という穏や
かでない発言。
 慌てた親父、六尺棒を持ってひっぱたきに飛び出てくる。
 幸太郎のほうが脚力があるから、どんどん逃げる。
 親父はとうとう捕まえることはできず、あきらめて家に戻る。と、戸が閉まってい
るではないか。
 幸太郎が先回りをして家の中に入って錠をおろしてしまったのだった。
 どんどん戸を叩くと、中の幸太郎はさっき親父にやられた通り真似をして「ああ、
親父のお友達ですか? よく訪ねてくださいました。『親父は親類相談の上、勘当し
た』と、親父にそうお伝え願います」などとやり返す。
 怒った親父が「そんなに俺の真似がしたかったら、六尺棒を持って、追っかけて来
い」
[六尺棒]の関連は、窓門会(後援会)/窓門会文庫/噺のような話/六尺棒
2001・6・28 UP